趣意書

日本は災害の多い国であり,災害に備え多くの研究の蓄積が行われてきました.将来の災害を予知しそれに備えた防災施策を実施すること,災害発生時において緊急かつ正確に情報を伝達し減災に努めること,また,災害後に正確な記録を保存し復興および将来の防災の知見とすることなど,災害の各局面において情報学は本質的な役割を果たします.

本シンポジウムでは,東日本大震災という未曾有の災害が発生し約1年が経過しようとする時期に,災害と情報学における我が国における第一線の研究者をお招きし,最先端の多様な取り組みをご紹介頂きます.最近の大規模災害発生時に,情報学に関係するこれまでの研究成果がどのように生かされ,また,今後に向けどのような課題が明らかになったかという点について,技術のみならず社会的な側面から議論し,理解を深める場とします.