令和7年度 京都大学情報学研究科 公開講座

数理と情報の交差点

数理と情報の交差点

2025年8月23日(土) 13:00〜16:40


実施報告
これまで数学・物理は科学や産業の基礎を担ってきました。また、情報が複雑に交錯する現代社会においては、基盤技術を支えつつ新たな発想を生み出す学問として、その重要性がますます高まっています。
今回の公開講座では、これからの時代に通じる最先端の話題を4名の専門家が分かりやすく解説してくださいました。講座は現地参加形式で、参加申し込みは228名、当日は160名が参加しました。そのうち、半数以上が学生であり、若い世代の関心の高さが伺えます。


講演内容・動画

開会の挨拶は、五十嵐情報学研究科長により行われました。続いて、数理工学コースの柴山允瑠准教授が「天体の運動を数学で読み解く」と題して講演されました。天体の運動を数学の力を借りて解明していくプロセスを歴史的な背景も交えつつわかりやすく説明していただきました。4体問題に関する柴山先生の結果は印象深いものでした。

 



次に、先端数理科学コースの清水良輔助教による「フラクタルと次元の数理」という講演が行われました。厳密な定義を与えるのはなかなか難しいですが、大雑把に言えば、フラクタルとは複雑な幾何構造を有する図形のことです。その大きさを表わす次元をキーワードに、視覚的にも数学的にも美しいお話を行っていただきました。

 



続いて、数理工学コースの吉渡叶助教により「ゲームの勝者を判定するアルゴリズム」という講演が行われました。ゲームの中に潜む数学的な戦略という親しみやすいテーマを歴史を交えながら分かりやすく講演していただきました。戦略を考えるための時間を講演中に設けることにより、参加者が真剣に考えている様子が印象的でした。

 



最後に、先端数理科学コースの辻徹郎准教授により「分子スケールからみる流体のふるまい」という題目で講演が行われました。流体のふるまいをマクロ、メゾ、ミクロという異なるスケールで観察した際に、扱う方程式も異なることを非専門家にもわかるように説明がなされました。最近の実験的な研究も交え、とても内容の濃い講演でした。

 



今回の公開講座は、数学・物理という基礎科学が、どのように応用されているかを広く共有する貴重な機会となり、多くの参加者からポジティブな感想が寄せられました。特に熱心にメモを取る参加者の姿が印象的で、基礎科学に対する関心の高さが伺えます。参加者からは、今後もこうした最先端の研究に関する講座の開催を期待する声が多く寄せられました。