平成29年度研究科横断型教育プログラム 情報学研究科提供科目

 情報学研究科では、統計数理研究所と情報学研究科の包括的な研究・教育に関する協力協定に基づいて、統計数理研究所から講師の派遣を受けて、下記のように、データ科学:理論から実用へ Aデータ科学:理論から実用へ B の2つの科目を平成29年度研究科横断型教育プログラムに提供します。
 開講日程・開講場所が決まりました。

本講義に関する問い合わせ先:datascienceAB@i.kyoto-u.ac.jp
------------------------

データ科学:理論から実用へ A

担当者:島谷健一郎(統計数理研究所准教授)

     開講場所:吉田キャンパス   配当学年:修士・博士後期専門職
   単位数:1          

開講日程:
9月22日2限、3限
9月25日2限、3限、4限
9月26日2限、3限、4限

開講場所:本部構内総合8号館3階 NS ホール

講義の概要・目的
 ベイズ統計はデータ解析の現場で広く使われている。本講義では、その代表的な応用例を軸に、共通して必要なベイズ統計に関する数学的基礎と、その実デー タへの適用で必要な計算アルゴリズムの代表であるマルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)の数学的基礎を中心に解説する。実際のところ、こうした数学的背 景は、実データから数値結果を導く作業ではあまり必要ない。しかし、得られた結果を適切に解釈し、科学的仮説を検証したり、何らかの意思決定を行う場合、 数理的背景に関する理解不足は、実データから数値結果へ至る過程をブラックボックス化し、それはしばしば数値の一人歩きをもたらし、推定の誤りを見過ご し、不適切な結論を招く。本講義では、ベイズ統計の応用事例に加え問題点も随時取り上げ、ベイズ統計を用いるための数理的基盤を固める。

授業計画と内容
    1.    ベイズ統計の応用事例の紹介から始まる概要説明
    2.    確率分布、尤度、最尤法、ベイズの定理
    3.    回帰モデルにおけるベイズ分析
    4.    マルコフ連鎖モンテカルロ法の数理
    5.    回帰モデルにおけるMCMC法によるベイズ推定
    6.    時空間モデルのベイズ推定の事例
    7.    ベイズ統計におけるモデルの相対評価と情報量規準
-----------------------------

データ科学:理論から実用へ B

担当者:中野慎也(統計数理研究所准教授

   開講場所:吉田キャンパス   配当学年:修士・博士後期専門職
   単位数:1          

開講日程:
9月19日2限、3限
9月20日2限、3限、4限
9月21日2限、3限、4限

開講場所:本部構内総合8号館 NS ホール

講義の概要・目的
 数値シミュレーションは気象予報や自動車の設計など,様々な分野で活用されている.通常,数値シミュレーションでは,初期条件,境界条件などの入力が与 えられたもとでシステムの挙動,応答を計算する.しかし,実際には入力の大部分が未知の場合が多く,またシミュレーションモデル自体も不正確な場合があ る.そこで,観測から得られる情報とシミュレーションモデルに埋め込まれたシステムに関する知見の両方を利用するデータ同化など,数値シミュレーションを 活用するために統計科学的アプローチが使われるようになっている.このような数値シミュレーションによる現象の再現・予測に利用される統計的手法を取り上 げ,その基本的な考え方や実装方法を解説する.

授業計画と内容
(1) 導入と数学的準備 :背景,行列の計算,確率分布,乱数
(2) 最小二乗法,拘束付き最小二乗法,ベイズ推定の基礎
(3) カルマンフィルタ,その実装
(4) 粒子フィルタ,アンサンブルカルマンフィルタ,その実装
(5) アンサンブル変換カルマンフィルタ,局所化,その実装
(6) 4次元変分法の基礎: アンサンブル4次元変分法,アジョイント法
(7) エミュレータの基礎: ガウス過程,エミュレータ