徳永保文部科学省高等教育局長 祝辞



本日ここに、京都大学大学院情報学研究科創立10周年記念式典が盛大に挙行されますことを、心からお慶び申し上げます。また、松本総長、富田研究科長をはじめとする関係者の方々のこれまでの御努力に深く敬意を表します。

今日、我が国は社会全体として複雑化・高度化した様々な課題に直面しており、その解決に向けて、「知の拠点」としての大学に対する期待は非常に大きくなっております。

このような状況の中、京都大学大学院情報学研究科は、裾野の極めて広い情報領域に対する総合的な教育研究の推進を目的とし、新しい時代に対応する「情報学」という研究科名を掲げて、平成10年4月に独立研究科として設置され、今日まで順調に実績を積まれてきております。
当研究科においては、例えば、文部科学省が支援する「グルーバルCOEプログラム」や「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」に精力的に取り組まれており、知能情報処理から人文社会情報学に至る幅広い情報領域の研究や社会情勢の変化に先見性をもって対処できる高度IT人材育成を進められるなど、国際水準の教育研究拠点及び高度専門職業人養成拠点として大きな役割を果たされております。

また、平成18年度からは大阪大学、奈良先端科学技術大学院大学、けいはんな地区研究所群と連携して「けいはんな大学院・研究所連携プログラム」を展開され、地域社会における拠点機能をも担われていると伺っております。

当研究科が、今後とも、知識社会が必要とする研究人材及び高度専門職業人の育成において、先進的かつ指導的な役割を果たされますよう期待を寄せております。

結びに、本日御列席の皆様におかれましても、引き続き、京都大学大学院情報学研究科に対しまして、御指導と御支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、京都大学大学院情報学研究科及び皆様のますますの御活躍を心より祈念し、私のお祝いの言葉といたします。


徳岡公人氏 代読